AI研修が根付かない会社と、根付く会社の違い

お役立ちコラム:AI研修が根付かない会社と、根付く会社の違い

この記事の結論

  • AI研修だけでは定着しにくい。会社として環境と運用を用意して初めて使われる。
  • 定着の起点は、社長が最初に自分で触り、社内で一番使う人になること。
  • アカウント・情報の置き場所・ガイドライン・推進役をそろえ、仕組みで回す。
目次

01AI研修をしても、なぜ会社に根付かないのか

「これからはAIだ」と社員を選んで研修を受けさせた。講義もeラーニングも受けてもらった。けれど、しばらくすると誰も使っていない。工務店の社長からよく聞く悩みです。

こうした会社に共通するのは、研修の中身を会社の中に落とし込んでいないことです。研修を受けた個人がそれぞれ分かっただけで、会社として環境も運用も用意していない。根っこには、AIを勉強させれば会社が良くなるだろう、という経営者側の思い込みがあります。

02AIの定着は、誰から始めればよいか

流れが変わるのは、社長が自分でAIを入れて触り始めたときです。思いつくことの多くは形にできると分かり、社長が社内で一番使う人になると、パソコンが得意でない社長が使っているなら自分もやってみよう、と社員の側が動き始めます。

社長が「やれ」と言うだけでは、社員は動きません。社長自身が先頭に立って手を動かし、日々の仕事で使い込むことが、いちばんの号令になります。

03「なぜやるのか」は、なぜ言い切る必要があるのか

現場からは「AIを使って何になるのか。大事なのは人だ」という反発が出がちです。営業の場面では、お客様の側がすでに複数社の商談を録音し、AIに比べさせて依頼先を決めている例も報告されています。こうした事実を材料に、管理者が「絶対にやった方がいい」と言い切らないと、現場は動きません。導入の手順より先に、なぜやるのかを語れるようにしておきます。

04会社として、どんな環境と運用を用意するか

社員が用途ごとに別々のアプリを個人で使い、会社は管理していない。これでは会社に何も残りません。会社としてアカウントを用意し、AIが読める場所に情報を集め、使い方のガイドラインを決めて配ります。会社の情報を同じ場所に集めておけば、誰がどのAIに聞いても同じ品質の答えが返ってくる状態に近づき、個人の腕前に頼らずに済みます。

ガイドラインは書いて終わりではなく、現場に伝える人が必要です。支援の現場では、書くのが得意な社員をAIのルールを書いて現場に伝える役にする、といった役割分担をしています。

05定着を続けるには、どんな仕組みが要るか

支援先には社内のAI推進担当者を置いてもらうことを前提にしています。社長だけ、外部の支援者だけでは、日々の運用が回らないからです。

続けるための仕組みも要ります。たとえば、社員が定期的にAIで業務を改善した事例を作り、それを評価に組み込む。たくさん事例を作る人に、より高機能なツールを渡す。社員から改善事例を募って表彰する場を設けるのも、一つの打ち手です。

06AIは、道具と相棒のどちらとして使うか

AIは、指示を待つ道具ではなく相棒として使うと定着します。言ったことをすぐ形にしてくれて、技術がなくても言葉で説明できれば直せる。資料作りを人に頼むより早く、質も上がることが多い。この手応えを社長と社員が日々の仕事で感じられるかどうかが、定着の分かれ目です。

07定着のためのチェックリスト

  • 社長自身が、日々の仕事でAIを使っているか
  • なぜAIを使うのかを、社長や管理者が自分の言葉で語れるか
  • 会社としてアカウントを用意し、個人任せにしていないか
  • AIが読める場所に、会社の情報を集めているか
  • 使い方のガイドラインを決め、現場に伝える人を決めたか
  • 社内のAI推進担当者を決めたか
  • 改善事例を作る・共有する・評価する仕組みがあるか

08よくある質問

Q社員にAI研修を受けさせれば、会社に定着しますか?

A研修だけでは定着しにくいのが実情です。研修の中身を会社の中に落とし込む環境と運用、そして社長自身が先に使い込むことが欠かせません。

Q社内のAI推進担当者は、どんな人が向いていますか?

A決まった型はありません。支援の現場では、書くのが得意な社員にAIのルールを書いて現場に伝える役を担ってもらう、といった分担をしています。社長や外部の支援者だけでは日々の運用が回らないため、社内に担当者を置くことが前提です。

Q現場から反発が出たら、どうすればよいですか?

A導入の手順より先に、なぜやるのかを社長や管理者が自分の言葉で言い切れるようにします。お客様の側が商談を録音してAIで比べている例など、事実を材料に話すと伝わりやすくなります。

まとめ

AIの定着は、研修の出来より、社長の関わり方と会社としての仕組みで決まります。社長が先に手を動かし、なぜやるのかを言い切り、環境と運用と推進役を用意する。そうして初めて、研修で学んだことが会社の中で回り始めます。

建築AI経営研究会では、社内へのAIの定着に取り組む社長同士が、うまくいったことも、つまずいたことも持ち寄って共有しています。

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この記事を書いた人

建築AI経営研究会の編集部です。静岡県浜松市の工務店・株式会社LIFEFUND(注文住宅「ARRCH」「PG HOUSE」)が運営し、自社でAIを経営に入れてきた実務をもとに、工務店・建築会社の経営者向けの記事を書いています。

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